プレゼントした家族

うちの犬・・トイ・プードルはもうすぐ1歳になる。
 兄弟みんなから母親への誕生日プレゼントとして私が買って来た濃い茶色の赤ちゃんで、
まだ手のひらに乗るほどの大きさだった。
母親が水戸黄門好きなので、犬の名前は『ハチベエ』にしたかったのだが、私がトイレに行っている間にすでに『ちゃー坊』と命名されていた。 
 うっかりトイレにいってしまった私の方が『うっかり八兵衛』だった。
そんなちゃー坊も、今では体重6キロを超え、予想外に大きくなり、やんちゃさにも磨きがかかっている。 家の中ではみんなに可愛がられ、撫で回されるものだからすっかり人間好きで、誰彼構わずに飛び掛る。
散歩の途中でもそれはかわらない。
そのおかげで、ご主人様になれなれしい小童に、痛い思いをさせてやれといった具合に3歳の柴犬に噛まれたのだ。
大きさは6キロ超えのちゃー坊とそれほど変わらないのだが、戦闘力は格段に上だった。
温室育ちのトイ・プードルは一瞬で・・まさにひと噛みで甲高い悲鳴を上げる始末となった。
その時点では出血しているように見えなかったのだが、散歩から帰ってから妙に元気がないちゃー坊に気付き、触ろうとすると、その手をよける様に逃げ出した。
なんとも頼りなげな目をして鼻を鳴らしているが、決して自分から近づいて来ようとはしないのだ。 
そのうち、隅っこの方でうずくまり、ぶるぶると振るえ出した。
さっき噛まれたショックが今更襲ってきたのか!? と思い、心配になって、いささか強引にではあるが、抱き上げて、噛まれたと思われる左耳をめくり上げてみた。
すると耳の中からどす黒い血がぽたぽたと溢れ出して来て、もがくちゃー坊のお陰でリビングの床一面が血の海になってしまった。
それでも耳に溜まっていた血が少し抜けたせいなのか、先程のように震える事は無くなった。 動物病院に電話して、初診なので直ぐに予約。 運よくその日のうちに傷の手当をしてもらい、一日ゆっくりと静養させることとなった